リモートセンシングとは?

リモートセンシングとは、「物を触らずに調べる」技術です。
リモートセンシングには様々な種類が有りますが、人工衛星に専用の測定器(センサ)を載せ、地球を調べる(観測する)ことを衛星リモートセンシングといいます。
衛星に乗せた(搭載した)センサは、地球上の海、森、都市、雲などから反射したり、自ら放射する電磁波を観測します。その観測結果から次の様なことが分かります。

  • 植物を計る 森林伐採、砂漠化、農作物(水田)の状況
  • 地表の温度を計る ヒートアイランド現象
  • 海面の温度を計る 黒潮の蛇行、エルニーニョ現象、漁場予測
  • 地表の高さを計る 地図の作成
  • 雲の状態を計る 天気予報、雨の強さ、台風の内部状況
  • 水の状況を計る ダムの貯水量、洪水の被害状況

そもそも人工衛星にはどんなものがあるのか

地球の周りを飛んでいる人工衛星は、その目的によって大きく3種類に分けることができます。

    1. “情報”を伝える…通信技術 通信衛星・放送衛星
    2. “位置”を測る…ナビゲーション技術 GPS衛星
    3. “物”を測る…リモートセンシンング技術 地球観測衛星

地球観測衛星の軌道

  • 衛星の軌道は、形(円軌道、楕円軌道)、高度(低/中軌道、高軌道、静止軌道)、地球との位置(極軌道、モルニア軌道)、太陽との位置(太陽同期軌道)など様々な方法で分類することが出来ます。
    ここでは、衛星リモートセンシングに利用される代表的な軌道をあげます。

1.静止軌道…赤道上空にあり、地球の自転と同じ速さで飛行する軌道

静止軌道は、通信、放送、気象などの衛星に利用されています。この軌道は、地表から約36,000Km離れた赤道上の軌道です。地球の自転と同じ早さ同じ向きで衛星が飛行するため、地球から衛星を見た場合、衛星が常に同じ場所に止まっているように見えます。通信・放送・気象観測など「常時使用」に適した軌道であるといえます。反面、地球の反対側からは直接利用することが出来ません。
リモートセンシング衛星としては、「ひまわり」などの気象衛星が採用する軌道です。

2.太陽同期準回帰軌道…太陽同期軌道と(準)回帰軌道を組み合わせた軌道

  • 太陽同期軌道と(準)回帰軌道を組み合わせた極軌道で、多くの地球観測衛星がこの軌道を利用しています。この軌道は、同一地域を通過する時間(太陽方位角)が同じになることから、太陽光の当たる向きが常に一定になり、画像の比較等の解析に容易に利用することが出来ます。また、この軌道は地表をくまなく回るため地球上の様々な地点を観測することが出来ます。また、(準)回帰とは、地球を周回している衛星が「定期的」に地球上の同じ場所に帰ってくることを意味します。つまり、ある一定期間毎に同じ場所を同じ位置から観測することが出来ます。
    この軌道は、「だいち(ALOS)」「LANDSATシリーズ」など多くの地球観測衛星に採用されています。

3.その他の軌道

熱帯降雨観測衛星(TRMM)は、赤道を挟んだ熱帯地域のみをくまなく観測できる軌道を採用しています。これは、熱帯海洋域を含む地球規模での降雨観測を目指しているためです。
この様に観測の目的に合わせて軌道は選択されています。

リモートセンシング利用事例

災害、社会インフラ、地理空間情報、農林水産、環境、SDGsなど多岐にわたる分野において利用されているリモートセンシング技術をご紹介します。

事業紹介

RESTECは、衛星リモートセンシングに関する研究開発から運用、利用に至るトータルソリューションを提供する総合力によって、環境問題、災害、国土管理、農林水産など様々な社会課題の解決に貢献しています。
詳しい事業内容についてご紹介します。