Google Earth Engine Appsを用いた地球可視化ツール
VEGA
宇宙から地球を見てみませんか?
VEGAはどんな人の役に立つ?
VEGAを使って気軽に衛星画像を作ってみませんか?
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気軽に衛星画像を作りたい自分で気軽に衛星画像を作って、記事や教材など様々な用途に使ってみたい。
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宇宙ビジネスに関心がある衛星データを利用したサービスの立ち上げや導入を検討するため、知見を広げたい。
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宇宙や地理に関心がある宇宙技術に触れてみたいがやり方がわからない。衛星データの使い方を学びたい。
VEGAについて
VEGAは、Google が公開している「Google Earth Engine」上で動く衛星データ可視化アプリです。
VEGAを使えば、無料公開されている衛星データを簡単かつ瞬時に可視化・解析し、様々なカラー合成画像を作成できます。
VEGAはプルダウンメニューの選択と数値の入力だけで操作でき、通常Google Earth Engineの操作に必要なJavaScriptなどの特別な知識や技術は不要です。初心者の方もお気軽にご利用いただけます。
多くの方に衛星データ利用の機会を提供するため、RESTECが開発し無償公開しています。また、ユーザ登録も必要ありません。
VEGAでできること
衛星データからは、地球や大気に関する様々なことが見えてきます。
VEGAで作成した画像でわかる事象を具体的にご紹介します。
環境問題 湖の縮小
アラル海の1987年と2022年を比較すると、湖水面積が大幅に減少している様子がわかります。
かつて世界第4位だった湖水面積が減少した原因は、アラル海への流入河川で行われた過剰な灌漑と言われています。
1987年 2022年
海洋 濁水の流出
2022年8月初旬に、東北地方を中心とした大雨によって河川氾濫等の災害が発生しました。
山形県酒田市を流れる最上川から日本海へ濁水が流出している様子がわかります。
河川から大量に供給される懸濁物(泥など)が、沿岸域の流れ、塩分や栄養塩場に大きな影響を与える可能性があります。
発災前 発災後
火山噴火による溶岩流出
ハワイ島のマウナ・ロア火山の噴火の様子です。
実写に近いカラー合成(赤/緑/青)を行った左の画像では溶岩が判別しにくいですが、短波長赤外/近赤外/赤でカラー合成した右の画像では流出する溶岩をはっきりと確認できます。
赤/緑/青 短波長赤外/近赤外/赤色
洪水
タイ国アユタヤ県で2022年9月から10月に続いた長雨によって生じた洪水の様子です。
光学衛星のデータを発災前後で比較すると、発災後の10月の画像は茶色い濁水が広がっていることがわかります。
2022年8月 2022年10月
同じ光学衛星のデータを、バンドの組み合わせを変えてカラー合成した結果です。
水域が青く表示されることで、上の実写に近いカラー合成(赤/緑/青)と比べて浸水箇所が分かりやすくなります。
2022年8月 2022年10月
同じ場所をほぼ同時期に観測したSAR衛星の比較画像です。
黒く表示されている箇所が浸水している地域です。
SAR衛星は白黒画像になりますが、上空にある雲の影響を受けずに地表面の状態を把握できることが特徴です。上空に雲があることが多い、降雨等による浸水の状況把握に役立ちます。
2022年9月 2022年10月
VEGAの使い方
①データセットを選択します。
- Landsat/Sentinel-2 地表面反射率
(大気の影響を補正して地表からの反射を計測したデータ) - Landsat/Sentinel-2 大気上端反射率
(大気の上側部分における太陽光の反射を計測したデータ) - Sentinel-1 CバンドSAR
- ALOS-2 ScanSAR L2.2 L-band SAR
- Landsat/Sentinel-2 地表面反射率
②表示方法とバンドを選択する。
人工衛星のセンサは、様々なバンド(周波数)で地球を観測し、その観測値(強さ)を、グレースケール(白黒)で表示します。
使用するセンサやバンドを使い分けることで、陸域や水域の状態、温度分布、植物の活性度など様々な情報を得ることができます。
また、光学センサでは、3つのバンドにそれぞれ赤、緑、青の光の3原色を指定し組み合わせることでカラー画像化することができます。
ご希望の表示に合わせて、モードやバンドを選択してください。
- ・SARデータを表示する
- ・光学衛星で1つのバンドを白黒で表示する
- ・光学衛星で3つのバンドに色を割りあててカラーで表示する
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人の目と同じような画像を作る場合は、3バンドカラー合成を選択し以下の組み合わせを入力してください。
- ・Landsat 4, 5, 及び 7: B3-B2-B1
- ・Landsat 8 及び 9: B4-B3-B2
- ・Sentinel-2: B4-B3-B2
③バンドごとに画素の値を入力する。
初めての方は、以下の数値からお試しください。(数値によって画像の見え方が変化します。)
- 光学衛星:最小値 0、最大値 3000
- SAR画像:最小値 -30、最大値 -10
④データの観測時期を指定する。
- ・上段には開始、下段には終了の日付を入力し、検索・表示させるデータの観測時期を指定する。
- ・日付は、YYYY-MM-DD(Y=年、M=月、D=日)の形式で、半角英数文字で入力する。
⑤データの合成方法を選択する。
ここでは、4.で指定した期間のデータを用いて、画素ごとに、中間/平均/最大/最小の値で画像を合成します。
また、期間内で最も新しい/古い画像を表示することでもできます。
⑥雲マスクの適用を選択する。
データプロダクトに含まれる雲判別の画像レイヤを用いて、雲のな い領域のみを抽出して表示する場合、「Cloud Masking」をチェックする。
⑦「Load Image」ボタンを押して、衛星画像を表示させる。
使い方動画
衛星データに関心のある方・初めて衛星データを使う方向けのツール「VEGA」の操作解説シリーズ動画。
誰でも簡単に衛星データを利用できます。
有料講座
リモートセンシングについて、さらに知識を深めたい方向けの有料講座もご用意しています。
衛星リモートセンシング研修
衛星データについて知りたい、利用したい、自分でもっといろいろな解析をしてみたい方は、基礎から実利用まで幅広く学べるRESTECの衛星リモートセンシング研修にぜひご参加ください。
初心者向けの「リモートセンシング基礎講座」ではVEGAを使った実習も行っています。
e-Leaning
いつでも・どこでも・何度でも、手軽に学べるe-Learning講座も開設しています。
リモートセンシング概論やGEEの基礎実習など、ご興味のある分野を1時間程度の動画で受講できます。
事例紹介
衛星データを利用した様々なソリューションをご紹介します。
よくある質問
- VEGAの利用手続きや費用を知りたい。
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VEGAの利用には登録などの手続きは必要ありません。費用も無料です。
- VEGAで使える衛星について知りたい。
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VEGA(v2.1)で利用できる衛星とデータの期間は次のとおりです。
Landsatシリーズ(光学):1982年8月~現在
Sentinel-1(SAR):2014年10月~現在
Sentinel-2(光学):2015年6月~現在
ALOS-2 ScanSAR(SAR):2014年8月~2022年12月
各衛星に関する詳しい情報は「衛星情報データベース(衛星総覧)」をご覧ください。 - VEGAで解析した画像を保存(ダウンロード)したい。
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データの保存(ダウンロード)はできません。画面のスクリーンショットを保存してください。
- VEGAやVEGAで作成した画像を商用利用したい。
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VEGA及びVEGAで作成した画像の商用利用はできません。個人、研究、報道、教育などの非営利目的に利用できます。
- RESTECの研修について詳しく知りたい。
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リモートセンシングに関する基礎から実利用について、対面オンライン及びe-Learningの様々な講座をご用意しています。詳しくは、RESTECの研修専門サイト「リモセン研修ラボ」をご覧ください。
- 対応しているブラウザを知りたい。
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Chromeの利用を推奨します。
利用許諾
財団は、Google Earth Engine Appsを用いた地球可視化ツール「VEGA」を使用する権利を下記の条件で許諾します。なお、VEGAの使用者は、VEGAの利用を開始した時点で、本利用許諾に同意したものとみなします。
- ・VEGAに関する著作権等の知的財産権は、財団に帰属します。
- ・VEGAを第三者に販売、貸与またはリースすることはできません。
- ・VEGAは、一切の保証なく、現状で提供されるものであり、財団はその商品性、特定用途への適合性をはじめ、明示的にも暗示的にもVEGAに関して一切保証しません。
- ・VEGAに関して発生するいかなる問題も、使用者の責任及び費用負担により解決されるものとします。
- ・使用者は、VEGAの使用に関連した第三者から使用者になされた請求に関する損害、損失あるいは責任より財団を免責し、保証するものとします。
- ・使用者は、Google社のガイドラインに従い、いかなる形でも画像を変更したり歪めたりしない限り、財団の許可無しでVEGAのスクリーンショットを印刷物及びオンライン記事等に使用することができます。