トンガ 火山噴火における二酸化硫黄相対濃度の観測

2022年01月20日
🄫RESTEC/Included🄫JAXA/JMA

2022年1月15日(土)日本時間13時頃に発生したトンガ王国のフンガトンガ・フンガハアパイ火山の大規模噴火について、気象衛星ひまわり8号の観測結果(00:00-14:50 UT(09:00-23:50 JST))を動画にしました。

画面左側:赤外センサ(バンド13)がとらえた噴煙の立ち上る様子
画面右側:SO2の相対濃度を示す解析画像

噴火と同時に二酸化硫黄(SO2)が放出され、噴煙の広がりとともに相対濃度1を低下しながら、フィジー付近まで拡散する様子がわかります。

二酸化硫黄は火山噴火に伴い放出される一般的なガスですが、毒性が高く局地的には健康被害をもたらす可能性があります。
また、化学変化により大気中で硫酸エアロゾルとなりますが、成層圏に達すると長期間漂い、太陽光を反射させて地表への日照を減らすことがわかっています。

1991年に起きたフィリピンのピナトゥボ山の噴火では、噴煙は高度26kmにも達し、大量の大気エアロゾル粒子が成層圏へ排出されました。
この時排出された二酸化硫黄は、大気中で硫酸エアロゾルとなり全球規模で数か月も滞留しました。
これにより、地球の気温はおよそ0.5℃下がったほか、オゾン層へも影響を与えたと言われています。

本解析へ使用した「ひまわり8号データ」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の分野横断型プロダクト提供サービス(P-Tree)より提供を受けました。

地名(国名) フンガトンガ・フンガハアパイ火山(トンガ王国)
衛星 ひまわり8号

1 粒子によって光を吸収する現象を利用し算出した粒子の濃度。本解析ではひまわりの赤外センサ(バンド10~11,13~15)を使用し算出。