3次元空間内で分析できる新たなプロダクト(ボクセル)
ボクセルを活用した新たなプロダクトの試作
ボクセル(VOXEL)とは
「volume(体積)」と「pixel(画素)」を組み合わせた造語で、コンピューターで立体を表現するデータの最小単位のこと。
近年はデジタルツインの実現に向けて、さまざまなセンサで取得された異なる地物データの統合が進められています。
アプローチの一つとしてボクセルが注目されており、国内では空間IDのような仕組みの整備も進んでいます。
このような流れから、RESTECでは衛星データをボクセル形式で扱う手法の開発を進めており、新たな形式でのプロダクトの提供や、デジタルツインを介したモビリティや防災といった分野での利活用を目指しています。
ボクセル化のメリット
- ・ひとつのボクセルに様々な情報を格納することができ、統合して表現することが可能。
- ・空間IDを活用して様々な事物情報+時間を一元管理することができる。
- ・高さ方向の情報の取り扱いが容易。
- ・情報の軽量化(圧縮)による高速処理が可能。
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ボクセルのイメージ
適用事例
衛星とSNSによる浸水情報の重畳(デジタル庁「デジタルツイン構築に関する調査研究」事業)
- SNSと衛星それぞれの情報を用いて浸水解析結果をボクセル形式に加工・統合し、浸水状況を3次元で再現したものです。
- Plateauの建物情報と組み合わせた3D表示に加え、可視化プラットフォームにCesiumとPhotorealistic3Dタイルを組み合わせて使用し、高精細で快適な表示環境を実現しています。
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2019年8月豪雨 佐賀県武雄市
令和6年能登半島豪雨の浸水状況を衛星データを基に3Dで再現(「内閣府宇宙開発利用加速化戦略プログラム」成果)
SARと光学衛星を基に抽出した浸水解析結果とAW3D Buildingによる建物データをボクセル形式へ加工したものです。
令和6年9月に発生した能登半島豪雨を対象とし、衛星から得られた情報を用いて浸水被害の様子を三次元で再現しました。
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令和6年9月能登半島豪雨 石川県輪島市
ボクセルデータに対する3次元ニューラルネットワークの適用
点群データ解析に用いられるAI解析技術を応用
ドローンやMMS等の分野で用いられている3次元ニューラルネットワークによる分類を、試作したボクセルプロダクトに適用しました。
その結果、衛星撮像による広域での3次元データに対して土地被覆分類が可能なことを確認できました。
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対象領域の試作プロダクト -
試作プロダクトに対するセグメンテーション結果