衛星データでi-Constructionを推進!AW3Dのご紹介

建設土木業界においては、国交省の主導の下、建設現場にICTを導入して生産性と安全性を高める”i-Construction”の取り組みが進んでいます。これを実現するためには、調査・測量、設計、施工、検査、維持管理までのあらゆる工程において、情報の「デジタル化」と「3次元化」を図ることが重要です。
AW3Dは高精度な3D地図をGIS/CAD等の設計解析ソフトのフォーマットに対応した形式で提供しており、これまで数多くの国内外のプロジェクトで活用されてきました。
今回は、i-ConstructionにおいてAW3Dがどのように貢献できるか、その可能性をご紹介します。

衛星データが解決する課題

調査設計業務をデジタル化するにあたり、建設土木業界のお客様からは「海外では精度の高いデータの入手が困難」、「現地測量はコストと時間がかかる」などの課題がよく挙がります。3D地図を作成する方法は様々な手段がありますが、その中で衛星データを活用するメリットをご紹介します。

● エリア制限なし
  世界中どこでも対応。山間地や離島など、現地調査が難しい場所でも撮影できます。
  広域を網羅するため、国単位の規模で均一なデータを整備することも可能です。
● 低コスト
  航空機やドローンによる測量よりも安価にデータを入手することができます。
● 周期撮影
  衛星は地球を周回しながら新たな画像を次々に撮影しているため、これらの画像から最新のデータを作ることができます。
  過去のデータも豊富にあるため、更新・変化の把握にも適しています。

2. AW3Dが選ばれる理由

AW3Dはこれまで、国内外の数多くの建設土木プロジェクトで活用されてきました。お客様から支持されているポイントは以下の3点です。

● 高精細
  地形データは最高50cm解像度。独自の画像処理技術で、3次元座標の精度が高く、死角のないデータを製造します。
  調査設計業務で重視される道路の傾斜や法面、地形の高低差なども細かく再現しています。
● 高い位置精度
  地形データの位置精度は、GCPなしでも水平/垂直2m RMSE、GCP補正ありの場合は水平/垂直1m RMSEです。
  高い位置精度が要求される調査設計業務でも、ご活用いただけます。
● 用途に応じた製品の提供
  建設土木の案件は、道路や発電所の概略設計、浸水シミュレーションなど多岐に渡りますが、用途に応じた製品をご提案しています。
  GCP補正や道路の平滑化処理、等高線作成、シミュレーションツールに合わせた形式変換などのオプションにも対応しています。

3.利用事例

ここで利用事例を4つご紹介いたします。

CASE1:パイプラインのルート選定

アルジェリアと北アフリカにおいて最も大きなエネルギー企業である日揮アルジェリア様に、パイプラインのルート設計業務でAW3Dをご利用いただきました。
 このプロジェクトはタイトなスケジュール、砂漠の真ん中という特殊な地形かつ範囲が広域(総面積2,500km2)だったこと、 アクセスできる道路がなく、モバイルネットワークでカバーされていない場所だったことから、現地調査ではなくデジタルデータを活用してルート選定を行うことに。解像度と精度の高さ、6週間以内の納品というスケジュールが決め手となり、AW3Dを選んでいただきました。
 オルソ画像と地形データはGISとCADソフトウェアを用いて、約700km2の大規模なパイプラインルートの選定や道路地図の作成などに活用されました。プロジェクトでは、パイプラインのルートを再設計するなど様々な変更が発生しましたが、AW3Dの活用により迅速な意思決定が可能となり、従来の地形測量よりも時間とコストを削減することができたと評価していただいています。

CASE2:地滑りリスクエリア抽出

建設コンサルタント様が、四国全域の標高データを用いて地滑りリスクの高いエリアを抽出し、危険区域を設定。3か月という短い工期で全域を調査する必要があり、現地調査に代わる手段として、AW3Dをご利用いただきました。

CASE3:再生可能エネルギー関連施設概略設計

風力発電設備の設計における、建設適地の選定、資材運搬計画にてご利用。最新現況を1/2,500相当の精度でデジタル化すること、かつ従来からの大幅なコスト削減が求められ、AW3Dを選んでいただきました。

CASE4:ため池氾濫解析

AW3Dはアプリケーションとの連携も行っており、ニタコンサルタント様のため池氾濫解析ソフト「SIPOND」でもデータをご利用いただいています。正確で高精細、網羅性のあるAW3Dの地表面の高さ情報を用いることにより、広域に渡り一貫性のあるシミュレーションを行うことができます。

4. 今後の品質向上に向けて

AW3Dは今秋、技術改良により品質が更に向上します。

● 地形の正確な表現
  衛星画像の処理アルゴリズム改良により、高精細版地形データの起伏と形状が、より細かく正確に表現できるようになります。
  以下は東京・豊洲付近の地形データです。DSMでは建物や道路の形状、首都高速道路の傾斜なども正確に捉えられていることが分かります。
  これらの人工構造物や樹木を除去したDTMの提供も可能です。

● 最新のデータを提供
  Maxar社は今年度より衛星を新たに6機打ち上げる予定で、世界中の30㎝級解像度の衛星画像データが、
  大量かつ高頻度に利用可能となります。
  これに加えて、AW3Dは衛星をコントロールして国内の指定エリアを撮影する権利を有しており、
  離島や山間部も含めて計画的な撮影を行っています。今後、取得した画像は速やかにデータに反映するため、
  撮影からデータ提供までのスパンが短くなり、より新しいデータをご提供できるようになります。

5. 新サンプルデータのご案内

新しいアルゴリズムを適用したサンプルデータをご用意しております。
ご関心のある方はぜひお問い合わせください。

6. お問い合わせ

サンプルデータのご依頼や、お見積もりなど、サポート窓口までお問い合わせください。

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