人工衛星を用いた上水道管の漏水調査サービス「mizuiro」の提供開始 10m × 10mメッシュの高解像度で上下水道DXを推進

2025年07月14日
インフォメーション

一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)は、人工衛星データとAI、GIS技術を用いて上水道の漏水の可能性があるエリアをマッピングする「mizuiro」のサービス提供を開始したことをお知らせします。

国土交通省の調べでは、令和3年度時点で日本の水道管路74万kmのうち、22.1%が法定耐用年数を超え、また、全国各地で上下水道管に関する事故が度々発生しています。しかしながら、従来の音聴による漏水調査手法は、経験と多くの人員を要するため、広域に張り巡らされた全ての上下水道管を維持管理し事故を未然に防ぐことは困難でした。広域を定期的に観測する人工衛星の特性を生かした本サービスを用いることで、計画的かつ効果的な漏水調査体制の構築が可能となります。

「mizuiro」について

本サービスは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「だいち2号」「だいち4号」※1のデータを用いて、湿潤な日本の土壌を考慮したAI解析による結果を提供し、地域に特化した推定モデルに対応します。
上水道管上の表層近くの湿ったエリア※2を、同様のサービスでは最高水準となる10m×10mメッシュの高解像度でマッピングし漏水の可能性があるエリアを絞り込みます。加えて、解析結果の位置精度も6m程度と非常に高精度で、漏水調査の効率化が期待されます。さらに、管路属性(敷設年、管種、口径など)を用いて更に絞り込むことも可能です。
結果は、PDF、GISデータ、Webアプリ等ユーザーのご要望に応じた方法で提供が可能です。
2023年に行われた福岡市による実証実験(先端技術公共調達サポート)において、実証対象エリア内13箇所の漏水のうち7箇所を検出し、有識者等で構成される検討委員会で「スクリーニングの効果あり」と評価されました。

  • 出力画面イメージ
  • Webアプリイメージ

※1:日本が継続的に開発してきた観測センサであるLバンド合成開口レーダを搭載する。
※2:湿った地表は乾いた地表と比べて反射が強いというマイクロ波の特徴などを利用した技術。

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