日本初の国内全土をカバーした 50cm解像度デジタル3D地図の販売開始

2019年05月22日
インフォメーション
一般財団法人リモート・センシング技術センター(以下:RESTEC)と株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、日本全土をカバーするデジタル3D地図「AW3D?日本全国高精細3D地図」を2019年5月23日より販売開始します。
本サービスは、50cm解像度の三次元情報に基づき、地図縮尺1/2,500相当の位置精度を持ちます。この精度の日本全土のデジタル3D地図整備は国内初の試みです。提供データは、地形データ、衛星画像、建物3Dデータから構成されます。
今後RESTECとNTTデータは、AW3Dにおいて、国内における一層の衛星データの利用拡大、市場創出に取り組み、2022年度末までに50億円の売り上げを目指します。

背景

RESTECとNTTデータはこれまで「AW3D?全世界デジタル3D地図(以下:AW3D)」を共同で提供してきました。
AW3Dは、2014年に全世界の5m解像度デジタル3D地図を提供開始し、2015年には都市部などで最高50cmまで解像度を向上させ、これまでに世界115カ国以上・900プロジェクト以上で利用されています。
日本国内では、無線ネットワーク・防災計画等のシミュレーション、航空機・ドローンの運行管理、都市・交通計画などにおいて、広域なデジタル3D地図の即時利用への要望が増加していました。こうした状況を受け、AIやクラウド等最先端技術の活用によりAW3D作成技術の高度化が進み、RESTECとNTTデータは「AW3D日本全国高精細3D地図」の販売を開始することとなりました。

概要

本サービスは、以下の3種類の地図データを提供します。
※衛星画像の撮影状況により、解像度等は一部エリアで異なる場合があります。

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① 50cm解像度地形データ(数値地表モデル(Digital Surface Model)):
地表面の起伏(標高)を50cmの格子間隔(50cm×50cmの正方形)ごとに高さの値としてデジタル化したものです。

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② 30~40cm解像度衛星画像(オルソ画像):
衛星画像の地形の標高に起因するゆがみをなくし、正しい大きさと位置に変換した画像です。30~40cmの格子の集合で画像が構成されています。

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③ 建物3Dデータ:
建物1棟1棟の形状と高さがデジタル化されたデータです。

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テクスチャ付建物3Dデータ(オプション)

「AW3D日本全国高精細3D地図」の特長

位置精度が地図縮尺1/2,500相当と正確なため、地形データ、衛星画像および建物3Dデータは位置ズレなく重なり、座標・高さの計測が可能です。また、50cm解像度の三次元情報により、日本全国の細かな地形起伏を把握することができ、物量・勾配計算(傾きの度合い)、各種シミュレーションが可能です。定期的なデータの更新を行うため、最新の情報を必要とする業務に活用できます。

図:「AW3D日本全国高精細3D地図」の活用例

今後について

今後RESTECとNTTデータは、3D地図の提供に留まらず、地図変化等のさらに付加価値をつけた情報の提供や、特定業務に向けた地図のカスタマイズを行います。また、地理空間情報を利用しているシステムとの連携により、一層の地理空間情報の利用拡大、市場創出に取り組んでいきます。

※ 「AW3D」は、一般財団法人リモート・センシング技術センターと株式会社NTTデータの登録商標です。
※ その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

製品・サービスに関するお問合せ先

一般財団法人リモート・センシング技術センター
ソリューション事業第二部 AW3D事業推進室
若松、石館、岩田
Tel:03-6435-6789

  • 参考1
    AW3Dについて
    RESTECとNTTデータにより、世界で初めて5m解像度の数値標高モデルで世界中の陸地の起伏を表現する3D地図として2014年2月にサービス提供を開始しました。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)(注)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いて、NTTデータと共同で開発・販売しています。2015年5月からは、都市計画等の分野において利用を広げるために米国の民間衛星会社DigitalGlobe社の衛星画像を活用した高精細版3D地図の提供を開始しました。これにより最高50cm解像度を実現し、都市エリアを中心とした「建築物」レベルの細かな起伏の表現が可能となりました。さらにAI等最先端技術を用いた地物情報抽出にも取り組んでおり、お客さま業務の短工期化、低コスト化を支援しています。
    これまでにAW3Dは、世界115カ国以上に導入され、社会および経済へ貢献しています。
    AW3D Webサイト

    (注) 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS, エイロス):2006年1月から2011年5月まで運用された日本の地球観測衛星で、高精細な全世界観測を実施し、地図作成・更新、災害状況把握、地域環境観測等に貢献しました。本事業では運用期間中に撮影された約650万枚の画像のうち、パンクロマチック立体視センサー(PRISM, プリズム)が撮影した被雲が少ない約300万枚を活用しています。

  • 参考2
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50cm解像度 地形データ(数値地表モデル(Digital Surface Model))

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30~40cm解像度衛星画像(オルソ画像)