VEGAで見る 東京ディズニーランド周辺の40年

2023年04月14日

東京ディズニーランドが、1983年4月15日の開園から40周年を迎えます。
日本でも有数の人気を誇るこのテーマパークは、ホテルや商業施設などの関連施設を建設しつつ、今もその規模を拡大しています。そこで、衛星データで周辺の変化を見てみました。
衛星データの可視化にはRESTECがGoogle Earth Engine上で提供する無料アプリ「VEGA」を使用しています。

開業直後

  • 東京ディズニーランドのある場所は、もともとは浦安湾を埋め立てた土地です。埋め立て前の画像から比較したかったのですが、埋め立ては1960年代に行われており、残念ながら埋め立て前の衛星データはありませんでした。(世界で最初の地球観測衛星の打ち上げは1972年)

    そこで、VEGAで表示できる中では比較的古い1984年11月のLandsatデータを利用し、舞浜周辺を可視化してみました。

    当時の衛星は解像度があまり高くなく、少し見にくいですが、東京ディズニーランド敷地内は緑色の植栽や白い建物等が確認でき、周辺の区画と比較して整備されていることがわかります。一方で、敷地外の土地は茶色く、未開発であることが推測されます。(黄色い円部分)
  • 1984年11月 舞浜周辺

東京ディズニーリゾートへの発展

  • 次に、開園からおよそ15年後となる2001年2月のLandsatデータで見てみましょう。
    1988年にJR京葉線が全面開通し都心からのアクセスが改善された影響でしょうか、舞浜駅や新浦安駅などの周辺地域の開発が、徐々に進んでいる様子も見て取れます。

    実際、東京ディズニーランドの近隣ではホテル、商業施設、モノレールなどの開発が進み、一帯は1998年には東京ディズニーリゾートと名付けられました。
    特に2000年頃には様々な施設の開業ラッシュを迎え、東京ディズニーランド周辺は大きく発展していきます。

    そういった変化の中でも一番大きな出来事は2001年の東京ディズニーシーの開園です。
    1984年の画像では空き地だった場所(東京ディズニーランドの右下)に、2つ目のテーマパークである東京ディズニーシーをはっきりと確認できます。
  • 2001年 7月 舞浜周辺

40年の変遷

  • 2023年2月のSentinel-2データを可視化しました。
    この40年の間に衛星のスペックも上がり、地表面の様子をより詳細を見ることができます。

    東京ディズニーリゾート一帯を改めて確認してみましょう。
    建築物が増え、敷地内の空き地も減り、2001年からの20年間でリゾートとしての機能がさらに拡張していることがわかります。

    また、新浦安駅などのJR京葉線の南側も、40年前と比較すると大きく変化しています。整備された区画に様々な建物が建設され、地域が発展している様子が明らかです。
    実際、浦安市の人口は1986年のおよそ9万3千人から、2023年には17万人にも増えています。
  • 2023年2月 舞浜周辺

衛星データでわかること

衛星データは、一度に広範囲を対象として、長期間にわたってくり返し同じようなセンサーで観測することができます。
その特徴を生かして、40周年を迎える東京ディズニーランド周辺環境の変遷を3時期の衛星データで確認してみましたが、いかがでしょうか。

今回示した陸域の変化のほかにも、海域、大気など様々な事象や状況を衛星データからとらえることができます。
近年では、それら衛星データにさらに別の情報を掛け合わせることで、ビジネスに役立てる様々な取り組みが行われています。
衛星データ利用の可能性は、これからも広がっていきます。

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