灯りが繋ぐ江戸と現代の街路 CE-SAT夜間画像

2022年08月17日

RESTECが新たに販売する衛星画像を紹介します。
キヤノン電子社製地球観測衛星CE-SAT-IIB搭載の超高感度カメラによる夜間画像です。

街路探検

地図は、私たちが暮らす街並みを可視化し、様々な気づきを与えてくれます。
CE-SAT-IIBは、キヤノン製高感度CMOSセンサーを搭載した超高感度カメラを使用することで、地上解像度(直下視)が5.1mの夜間画像を撮影します。従来の衛星では数百m程度だった地上解像度が大幅に向上し、道路などの街並みを宇宙からとらえることが可能になりました。
このCE-SAT-IIB搭載の超高感度カメラが撮影した東京の夜景と、200年前の江戸の古地図を比べてみましょう。

  • 1817年発行 伊能忠敬による江戸實測図 (南)を加工して作成
    出典:国土地理院 古地図コレクション(https://kochizu.gsi.go.jp/)
  • CE-SAT-IIBの撮像した夜の両国近辺(2021年撮影)

200年前の暮らしを継ぐ

およそ200年前の1821年(文政4)に、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」が幕府に献上されました。この際の第10次測量の結果をもとに作られた江戸實測図は、江戸時代後期に発展した町人文化を今に伝えています。
当時の両国付近の街並みを見ると、水路の周囲に街が作られ、錦糸町方向に広がる碁盤の目状の道路を見ることができます。水路が交通・物流の中心となり、計画的な街づくりが行われていたようです。

そして、200年後の宇宙からCE-SAT-IIB搭載の超高感度カメラが撮影した東京の夜景は、同じく碁盤の目のように広がる街路の灯りを鮮明に捉えています。江戸時代の水路は、現在では幹線道路や高速道路などにその流通の役目を引き渡しましたが、街路が示す街並みは、発展しながらも当時の面影を残しています。

また、当時の浮世絵には、橋や水路に浮かぶ館船から両国の花火を見る様子が描かれていました。両国の花火大会は大飢饉と疫病の流行による犠牲者の慰霊と疫病退散を祈り、打ち上げられたことが由来と言われています。COVID-19の影響で、2020年、2021年に続き2022年の隅田川花火大会は中止となりました。見上げる夜空は寂しいですが、街灯りは私たちの暮らしを守ってくれるようです。

出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)

衛星画像の新しい役割

世界で初めてのリモートセンシング衛星が打ち上げられて50年が経過しました。
現代では、昼間撮影した高精細な衛星画像は街づくりや生活に貢献し、合成開口レーダ画像はインフラ利用として定着しつつあります。また、DMSP、SuomiNPPが提供する夜間画像は世界的な経済指標として利用されています。
そして、CE-SAT-IIBの夜間画像は、その特徴である超高感度カメラによって、太陽光の下では見えない人々の暮らしを映し出しています。
月明り程度のわずかな光源で地上の様子をとらえる夜間画像は私たちをインスパイアし、衛星画像に更に新しい役目を与えようとしているようです。

衛星画像の新しい可能性を開くCE-SATの夜間撮影画像は、RSETECが販売を行っております。ご興味のある方は以下よりお問合せ下さい。

東京が一望できる夜間モザイク画像(キヤノン電子㈱webサイト)