スマトラ沖地震関連画像2004年12月28日~2005年1月17日

スマトラ沖地震の被災状況画像

2005年1月17日 掲載

スマトラ沖地震の被災状況画像

出展:1~4. UNOSAT 5. RADARSAT 6. 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 7. RESTEC

スマトラ島北部西海岸の被災状況

2005年1月11日 20:00 掲載

当財団は、米国の地球観測衛星テラ(Terra)*1に搭載された中分解能撮像分光放射計(MODIS)*2が撮影した災害前の2003年2月25日の画像(図1)と被災後の2005年1月7日の画像(図2)を比較し、少なくともスマトラ島北東部西海岸がアチェ・ベザル県からナガン・ラヤ県までの長さ約250km、幅2~4kmで被災している可能性があることを確認した。

スマトラ島北部西海岸は、被災前の画像(図1)では植生に覆われて緑色に写っているが、被災後の画像(図2)では津波を被り茶褐色に変色している。また、島の東海岸でこのような変色をしている地域は認められない。

更に、被災後の画像(図2)をSRTM*3の標高図(図3)と比較したところ、変色地域の多くは標高10m未満の海岸に面した土地であることが判った。なお、標高が10m未満でも、海岸線が山で遮られている地域(図4)は植生が残っており、比較的被災を免れていると考えられる。

*1 1999年12月米国航空宇宙局(NASA)により打ち上げられた衛星
*2 観測幅約2,300km、分解能250mの光学センサ
*3 Shuttle Radar Topography Mission:スペースシャトルに搭載した合成開口レーダーで全世界の標高を求める米国航空宇宙局(NASA)のミッション。データの取得は2000年2月に実施された

海岸線が山で遮られ被災を免れたと考えられる地域

画像の利用に当たって以下のクレジットを画像の中または近くに明記して下さい。
「作成 : RESTEC,画像 : NASA Terra/MODIS」または
「作成 : (財)リモート・センシング技術センター,画像 : NASA Terra/MODIS」

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「作成 : RESTEC,画像 : NASA Terra/MODIS」または
「作成 : (財)リモート・センシング技術センター,画像 : NASA Terra/MODIS」

衛星がとらえたスマトラ沖地震近傍の変色海域

2004年12月28日 15:35 掲載

Terra/MODIS画像(範囲151km×172km) 震源近傍海域の一直線の変色海域

画像1:Terra/MODIS画像(範囲151km×172km) 震源近傍海域の一直線の変色海域

2004年12月26日3時40分世界時間、Terra/MODISはスマトラ島北端沖合いに約80kmに渡って伸びる幅2kmから5kmの変色海域を捉えた。
地震発生から2時間40分後経過した時点であり,この付近の水深は180m以下。海岸では津波が引くときに海に引き戻した濁水の噴出しパターンが見られる(図中C矢印先端)が、岸より5km程度にしか至らない。従って,この線分ABは,岸から引き潮が運んだものではない。

USGSの地震情報図に画像1を重ねたもの

画像2:USGSの地震情報図に画像1を重ねたもの

直線ABは海底から発生したもので、この直線パターンの下あたりに海底断層があり、この断層が大きく動き濁水が発生した可能性がある。
USGSが掲載する地震の説明図に衛星画像を重ね、震央からABを通過する直線を引くと、延長線上に再び断層線が乗る。
白濁した直線ABの海底を探査すれば、断層がどのように破砕したのか判明する可能性がある。

衣笠善博教授(東京工業大学・地震地質学)のコメント:
地震津波に伴う海底現象が水面に現れたものと思われる。現時点で,AB線の位置が本震時に動いた主断層線と言うことはできない。幾つかの可能性が考えられる。

  1. 津波の第2波以降のもの。
  2. 直線上の海底地形に津波が当たり、海底堆積物が舞い上がった。
  3. 津波を起こした主断層に平行する副断層が海底まで達し、その断層線に沿う海底面の変状をとらえたもの。

いずれにしても、無視できない海洋現象であり、この後、海底調査を行い、地震地質学的な解明が必要である。
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「作成 : RESTEC,画像 : NASA Terra/MODIS」または
「作成 : (財)リモート・センシング技術センター,画像 : NASA Terra/MODIS」

津波により茶色となったスリランカの海

2004年12月28日 11:30 掲載

2日前
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2日前

2004年12月26日1時UTC(現地時間午前8時)に発生したスマトラ地震に起因する津波が約2時間後にスリランカの東海岸を襲った。画像はその約2時間後5:15UTC(現地時間10時15分)にTerra/MODISが撮影したスリランカの東海岸の状況である。沿岸は津波で茶色と化した海水が帯状に連なっている。

スリランカ東海岸は震源から約1500km,水深3000m以上の海域も多く津波は2時間から2時間半後に到着したはず。現地のニュース(TamiNet*1)は,Batticaloaから南のMarataに至る海岸が特に被害が大きかったと伝えている。

衛星画像に写る海岸の変色は,津波で海水が濁ったため。2日前の画像では,このような変色は見られなかった。人工衛星から直接に津波の状況を映した初めての写真である。

津波により茶色となったスリランカの海

画像サイズ
Batti: 373 x 470km
Srilanka: 全体像

*1 TamiNet (http://www.tamilnet.com/art.html?catid=13&artid=13711)
作成 RESTEC
画像:NASAの地球観測衛星 Terra/MODIS

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「作成 : (財)リモート・センシング技術センター,画像 : NASA Terra/MODIS」

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