レーダサット衛星データの干渉処理を用いた鳥取県西部地震による地形変化の抽出について2000年10月16日 〜 2001年1月17日

平成12年10月16日
宇宙開発事業団
(財)リモート・センシング技術センター

宇宙開発事業団は、平成12年10月6日の「鳥取県西部地震」発生後、地形変化の抽出を目的とした地球観測衛星による観測を実施し、地球観測衛星「レーダサット」*に搭載されている合成開口レーダで観測したデータの干渉処理を行った結果、地形変化を抽出し画像化することができましたので、下記資料(レーダーサット干渉処理による地殻変動解析(速報))のとおりお知らせいたします。

なお、今回の解析結果は、観測データの都合上、地形変化が起こっていると思われる地域の一部に限られておりますが、今後観測データの蓄積を行うことにより、より広域な地形変化の抽出を行う予定です。

また、本件につきましては、以下の、宇宙開発事業もしくは、財団法人リモート・センシング技術センターのホームページで公開いたしますので、直接ご覧になることができます。

アドレス

*レーダサットは1995年11月、カナダが打ち上げた地球観測衛星で、Cバンド(5.6cm)の合成開口レーダを搭載しております。

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レーダーサット干渉処理による地殻変動解析(速報)

宇宙開発事業団
平成12年10月16日

宇宙開発事業団ではレーダサットに搭載されている合成開口レーダによる観測データ(平成12年9月17日と平成12年10月11日受信)を用いた干渉処理を行い、鳥取県西部地震(平成12年10月6日発生、マグニチュード7.3)にともなう地殻変動を検出しました(図1)。本地震では断層面に沿って左横ずれが発生したと考えられております。(参考までに、建設省国土地理院提供の変動予想図を図2に示します。鳥取県、島根県の広い範囲に渡って蝶に似た変動パターンがみられます。)
本干渉図は南北60km東西50kmの領域の変動を表しており、図2と比較すると、変動の二次元的な広がりを定量的・定性的に把握している事がわかります。レーダサットはCバンド(波長5.6cm)のマイクロ波を使用しており、地殻変動量を表現する色の一周期がレーダ波長の半分(2.8cm)に対応します。米子市近辺では5.6cm衛星に近づいたことがわかります。
本画像では山間部の干渉の具合が良好ではありません。干渉性の優れたLバンド合成開口レーダでは観測可能であり、Lバンド合成開口レーダを搭載した陸域観測技術衛星(ALOS)の打ち上げが期待されます。

  • レーダーサットの説明はこちらです。
  • 干渉処理(インターフェロメトリィ)の説明はこちらです。
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図1:レーダサットによる鳥取西部地震変動図

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図2:変動予想図(建設省国土地理院が気象庁気象研究所作成のMICAP-Gというソフトを使用して作成しました。)