閉じる

衛星画像販売・ソリューション提供

一般財団法人リモート・センシング技術センター

English
公式Facebookページ公式Facebookページ

事業案内

災害分野

水の動き、広がり・量を把握し水害の被害を最小限に

世界の災害の約7割が洪水など水に起因していると言われます。迅速で正確な状況把握が救助や二次災害の軽減に必須です。

SAR画像を使えば夜間も荒天時も観測でき、水の動きや広がり、量を把握し緊急対応、減災・復旧への貢献はもちろん、防災やビジネスも含めたリスク回避に貢献できます。

災害チームリーダー山本 彩

浸水を三次元でとらえる→復旧・復興へ

津波などで浸水や冠水が起こった際、どこにどのくらいの水量があり、歩けるか車は通れるかなどの状況把握が人命救助につながります。東日本大震災時は観測画像から得た堪水域情報を官邸や防災関係機関などに提供し、復旧に貢献しました。

水の面的な広がりだけでなく、深さを加えた三次元情報を抽出すれば、必要な排水ポンプの台数等を精度よく出せるようになるため研究中です。これらの技術は日本だけでなくアジアでも展開できます。

左は東日本大震災時の浸水域の抽出図です。黄色く囲われた場所が浸水域。官邸や防災関係機関に提供され溜まっている水の排水のためにどれだけ排水用ポンプが必要か、どの地域を優先すべきか等の判断材料や復旧計画に貢献しました。

上流域の状況から下流域の洪水を予測

東南アジアや南アジアでは大河が流れ洪水などの水害が頻発します。2011年11月にはタイ・バンコク近郊の工業団地が洪水で大被害を受け経済的な損失をもたらしました。同様の洪水は宇宙からの観測で備えることが可能です。

タイの場合は上流域で降った雨が下流域にたどり着くには、3~4ヶ月かかると推測されています。河川の上流域・中流域の水の動きを観測画像で把握すれば、大洪水が予想される場合に、在庫管理や先行輸送など対策を立てられます。また実際に洪水が発生した場合は周辺状況を観測し、通れない道路の把握や避難経路確保など、緊急時の意思決定に活用できます。

8月27日、洪水前、バンコク北部のアユタヤ工業団地付近
拡大する

8月27日、洪水前、バンコク北部のアユタヤ工業団地付近

11月13日、洪水時
拡大する

11月13日、洪水時

10月13日、工業団地付近を拡大した画像
拡大する

10月13日、工業団地付近を拡大した画像

2011年タイ中央部を流れるチャオプラヤ川の大洪水は約800人の死者をだし世界銀行の推計では約3.5兆円の損失を出しました。©JSI Produced by RESTEC

保険の設計、被害額の算出にも

観測データは何十年分も蓄積されており、ある地域が浸水したかどうか過去の情報が得られます。工業団地や施設などを建設する際には適地選定の判断材料に活用できます。

今後期待されるのは保険への利用です。衛星画像は広範囲にわたる客観的な情報源であり、保険の設計に反映できるとともに、実際に被害が発生した際は、画像のように被害前後の画像から被災住宅の状況を判読したり、衛星データによる浸水マップと住宅分布などの地理情報を重ねることによって、被災住宅の状況や戸数を算定したりすることができます。

被災前後画像からの判読による被害額算出図
拡大する

被災前後画像からの判読による被害額算出図。被災前後の高解像度の衛星画像を比較することで住宅や建物が半壊したか全壊したか、また戸数まで把握することが可能です。画像はレイテ島タクロバン地域の台風被害。DigitalGlobe, Inc. All Rights Reserved.

近年ゲリラ豪雨などの局所的な豪雨が頻発し、今後も水害が多発することが予想されます。人命救助は発災後72時間を過ぎると生存率が大幅に低下すると言われます。「だいち2号」は災害発生後の緊急観測時には、日本付近なら約12時間以内に観測し、観測後約1時間に画像を提供。「命を救う衛星」と期待されます。今後は過去データから、災害予測に役立てられるよう研究開発を進め、災害に備え、被害を最小限にすることに貢献します。