P+MMの特徴

3次元地形シミュレーターP+MMは、従来までのジオラマ/PCシミュレーションとは違い、以下のような強みを持っています

1世界中のあらゆる
地形/構造物の再現力

RESTECが持つ最高峰の地形3次元座標特定技術により、世界中のあらゆる場所をご希望の縮尺で再現することができます。 地上構造物まで表現できるのはRESTECの「P+MM」だけです。

1世界中のあらゆる 地形/構造物の再現力

2世界中の衛星情報に基づく
コンテンツの多様性

RESTECは設立時から約50年にわたり蓄積された世界中の地球観測衛星のデータにアクセスすることができます。これにより、地面や海の表面温度、積雪量や氷の厚さ、植物の活性度など、様々な情報をPMMに付加することが可能なのです。

1世界中のあらゆる 地形/構造物の再現力

3目的や要望に応じて
すぐに対応可能な更新性

コンテンツを自由に変更し、カスタマイズできます。
これにより、P+MMが提供する価値は陳腐化することなく、常に新しい体験や驚きを提供することができるのです。

目的や要望に応じてすぐに対応可能な更新性

RESTECの「3次元座標の特定技術」

P+MMを生成するうえで最も重要な技術となるのがRESTECが持つ「3次元座標の特定技術」です。

その基礎となるのが、3D立体視に特化した光学センサーを搭載したJAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」のデータです。「だいち」が撮影した、地球8個分に相当する膨大なデータを重ね合わせることで、世界中のあらゆる地点の3次元座標の特定を行っています。

この世界でも有数の技術である「三次元座標の特定技術」。大きく分けて4つの工程より作成しています。

「だいち(ALOS)」による三⽅向同時撮影

1:「だいち(ALOS)」による三⽅向同時撮影

P+MMを実現するにあたって、「だいち」のデータを基礎とした理由は「だいち」が持つパンクロマチック立体視センサー、通称プリズム(PRISM)にあります。このセンサーは後方視、直下視、前方視の3つの視点からの撮影を同時に行うことで、立体視画像を生み出すために開発されました。
この3つの視点画像の「視差」を活用することで、地表からの高さを抽出することができるのです。

2: 三⽅向画像からの、三次元座標の特定(DEMの作成)

2: 三⽅向画像からの、三次元座標の特定(DEMの作成)

だいちから送られた後方視、直下視、前方視の3つの異なる角度から撮影された写真は、単純に重ね合わせることができません。撮影された3つの画像を「点」に分解し、僅かな位置のズレから、その高さの差を測定します。
地球8個分に相当する膨大なデータ、300万枚、1ペタバイトにも及ぶデータから、地球を5m×5mのマスに分解し、そのマスそれぞれを3方向画像のデータから高さを測定する、という作業により、地球上のあらゆる地点の高さの測定が実現しました。

3: 三方向画像からの正者投影画像の作成(オルソ画像の作成)

3: 三方向画像からの正者投影画像の作成(オルソ画像の作成)

RESTECでは、だいちにより撮影された画像のすべての点の「3次元座標」を特定したことで、地球上のあらゆる地点でこの「ひずみ」を補正したオルソ画像の生成を実現しました。
このオルソ画像の生成により、「だいち以外の衛星写真の重ね合わせ」が実現したのです。

4: 複数の衛星データの重ね合わせによる⾼精細化

4: 複数の衛星データの重ね合わせによる⾼精細化

地形の把握という点では、5m解像度は充分な精度ですが、都市部などでは、例えば建設計画での日照予測など、一つ一つの建物レベルの細かい起伏の情報が求められます。
これらのニーズにお応えするため、RESTECでは、200基を超える地球観測衛星のデータをさらに重ね合わせることで、樹木1本1本を識別できるレベルまで3D地図の精度を上げる事に成功しました。
これにより、単なる地形情報だけでなく、建物1棟1棟の形状の再現までを実現しているのです。

全世界150基*を超える衛星へのデータアクセス

全世界150基を超える衛星へのデータアクセス

P+MMが多様なコンテンツを表現できる理由として、RESTECでは世界中を飛び回る150基を超える地球観測衛星のデータを取り扱っていることがあげられます。
RESTECでは、それらの衛星から得られるリモートセンシング情報のほとんどを取り扱うことが可能です。
地球観測衛星には、一般的にイメージするような衛星画像を生み出す「光学センサ」だけでなく、地表面の微小な変動を感知する「レーダー」、そして海水面温度や降水量、大気ガスの環境情報などを取得する「環境観測センサ」などが搭載されています。
これらの観測衛星は地球のはるか上空を常に150基以上が飛び回っており、我々RESTECは、政府系の地球観測衛星から、民間の小型衛星まで、ほぼすべてのデータにアクセスすることができます。世界中の最新の衛星データにアクセスできるRESTECだからこそ、高精度かつ多様な情報提供が可能となるのです。
*2019年4月 現在

様々な情報の重ね合わせ技術

P+MMは、単なる触れる地図ではなく、現実の世界を限りなく忠実に再現し、正確な三次元シミュレーションを実現するソリューションです。忠実に再現された現実の世界に、いかに多様な情報を付加するか、様々な衛星データを組み合わせるとはどういうことか、その技術をご紹介します。

1: 過去の光学センサの衛星データとの重ね合わせ

1: 過去の光学センサの衛星データとの重ね合わせ

右図は1970年代に撮影された衛星画像との重ね合わせの事例です。先ほどご説明した陸域観測技術衛星「だいち」は2006年に打ち上げられています。それ以前のデータは、どこから持ってきているのか。
これらのデータは「だいち」が運用される前から存在した、米国の衛星データです。私たちRESTECは、これらの過去のデータを取得し、その画像の3次元座標を特定して重ね合わせることも可能なのです。

2: レーダーや環境観測センサの衛星データとの重ね合わせ

2: レーダーや環境観測センサの衛星データとの重ね合わせ

右図はレーダーによるデータとの重ね合わせです。視覚的に座標が特定しやすい「光学センサーによる衛星画像」だけでなく、レーダーにより測定されたデータやそれ以外のデータを重ね合わせることも可能なのです。

3: 衛星データにはない地図情報との重ね合わせ

3: 衛星データにはない地図情報との重ね合わせ

こちらは、衛星データとの重ね合わせではなく、衛星データでは映ることがない、地上で設定された市区町村境界線や、交通インフラの案内などを付加したものです。
衛星データから正確な「オルソ画像」を作り出すことでいわゆる「地図情報」との重ね合わせが実現でき、衛星データには見えない市区町村境界線などの情報を重ねわせることができるのです。

4: 古地図や航空写真などとの重ね合わせ

4: 古地図や航空写真などとの重ね合わせ

そして、さらに正確さに欠ける「古地図」や「航空写真」との重ね合わせも実現しています。古地図から特徴的な情報を特定し、古地図側に座標情報を与えることで、不確かな地図も簡単に重ね合わせることに成功しています。

4: 古地図や航空写真などとの重ね合わせ

このように、ありとあらゆる情報を「重ね合わせる」とこで、様々なコンテンツを迅速に生み出すことができます。情報を新しいものに更新するだけでなく、様々な情報の重ね合わせを行うことで

  • 防災計画やハザードマップ作成のための災害・防災
  • 鉄道、車道などの交通インフラ設備・土地開発設計のための建設設計
  • 資源調査、採掘履歴、地下水や農地状況等の土地開発検討やアセスメント
  • 観光地、史跡・遺跡などの観光資源のプロモーション

などありとあらゆる分野での活用、転用が可能となるのです。

P+MMの筐体について

様々なコンテンツのステージとなる「立体地図模型」は、大きく2種類の製造方法があります。

  • 広域表現に適したケミカルウッドの削り出し
  • 詳細なエリアを表現する3Dプリンタ。

RESTECが持つ正確な地形および構造物を再現したCADデータから、それぞれの特性に合わせて作成することが可能です。

P+MMの筐体について

ケミカルウッドの削り出し

  • 優れた地形再現
  • ⾼い強度

ケミカルウッドの削り出しでは、広域の衛星データの高精度の測定データをいかんなく発揮できるます。削り出しによる加工は、境界面をなだらかに仕上げるため、広域の地形表現に優れた表現力を発揮します。また、部材に接着面が少ないため高い強度を実現しています。触った場合にも剥離や欠損のリスクが少なく、触ることを中心とした活用に向いています。

ケミカルウッドの削り出し

3Dプリンタ

  • 優れた構造物再現
  • 低コスト

3Dプリンタは、積層造形によるダイナミックな表現に向いており、地形だけでなく、ダムや橋梁、高層ビルや都市の風景などのディテールを表現することに向いています。