地球観測衛星の運用からデータ提供まで誰が行っているの?

地球観測衛星の運用は

地球観測衛星は各国の機関や民間企業が、地上の施設で運用を行っています。これらの施設には、衛星や衛星に搭載されたセンサの状態を確認したり、また衛星の姿勢や軌道を修正したりする追跡管制局や、観測したデータを受信する受信局等があります。
国内の地球観測衛星の場合には、主に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用を行っており、国外の場合には、アメリカ、インド、欧州等国の宇宙機関が運用を行ったり、各民間企業が行ったりしています。国外の地球観測衛星に日本のセンサを搭載している場合でも、同じく国外の機関が運用を行っています。
利用者が特定の地域を観測したい場合には、事前に衛星を運用している機関等に連絡しておく必要があります。

地球観測衛星のデータはどこに保存されているのか?

地球観測衛星には、地球を観測しながらデータを地上や通信衛星に電波で直接送信するものと、衛星のハードディスク等の記録装置に一度記録して、後でまとめて電波で地上に送信するものがあります。いずれの場合も観測データは、地上の受信アンテナをもつ受信局や受信装置で受信して、たくさん記録できる磁気テープやハードディスク等に保存されます。また、受信局で受信した観測データを別の処理局で保存する場合もあります。
国内では、主に宇宙航空研究開発機構地球観測センター(JAXA/EOC)、広島工業大学、東海大学等で受信、保存されています(気象衛星「NOAA」や「ひまわり」を除きます)。例えば、EOCでは、1979年以降のアメリカのLandsatデータや日本のMOS、JERS-1ADEOS等のデータが保存されています。
国外では、アメリカのEROSデータセンター、欧州宇宙機関のESRIN等の国の機関やスペースイメージング社、デジタルグローブ社及びオーブイメージ社等の民間企業に保存されています。

地球観測衛星の観測データはどのような処理をして利用者に提供されているのか

地上局等で受信、保存された地球観測衛星の観測データは、そのままでは利用できないものがほとんどです。地球観測衛星は、一定の観測幅で帯状にデータを観測しているので、その観測データは、ある決まった大きさで切り出し、衛星に搭載したセンサによる対象物の見え方の特徴(感度)のばらつきを合わせて、衛星の姿勢変化による地上との位置のずれを除くなどの補正処理を行います。その後、補正されたデータは、衛星の観測日や補正した際の情報等を付加して、ハードディスクなどの媒体やネットワークを使って、利用者に提供されます。
データは、衛星運用機関を通じて入手するほか、代理店などを通じて購入することができます。RESTECでは、20種類以上の国内外商用衛星のデータを販売しています。

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